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西村 昭彦; 有澤 孝; 小倉 浩一; 大場 弘則; 柴田 猛順
Atomic Collision Research in Japan, No.17, p.117 - 119, 1991/00
電子ビーム加熱により金属原子ビームを生成させる場合、偏向型電子銃が広く用いられている。本研究では偏向型電子銃を用いて水冷銅るつぼ内のガドリニウム金属を加熱蒸発させ、生成した原子ビームの速度分布をレーザー光に共鳴する蛍光スペクトルのドップラーシフトから測定した。その結果、原子ビームの速度は蒸発面温度での平均速度より遙かに速く、断熱膨張時の最大速度よりも速くまで加速されることが判明した。一方、シフトしたスペクトルの広がりから求めた流れ方向の速度分布の広がりを示す温度は蒸発面温度より遙かに低くまで冷却されることが判明した。
大場 弘則; 有澤 孝; 西村 昭彦; 小倉 浩一; 柴田 猛順
Atomic Collision Research in Japan, No.17, p.101 - 102, 1991/00
電子ビーム加熱で金属を蒸発させると蒸発部でプラズマが生成する。電子銃加熱蒸発で生成した原子ビームを用いて、原子衝突実験を行うには、この蒸発部生成プラズマを除去する必要がある。プラズマ除去のためには、それ自体の特性を知ることが重要である。本研究では、ガドリニウムを電子銃加熱で蒸発させ、静電プローブを用いて、蒸発部生成ガドリニウムプラズマの電子温度および電離度を測定した。その結果、電子温度が蒸発面温度に比べはるかに低いこと、電離度は1%程度でそれは電子ビーム電流に依存することが判った。
小倉 浩一; 有澤 孝; 柴田 猛順
Atomic Collision Research in Japan, No.17, p.44 - 45, 1991/00
対称電荷交換断面積は、プラズマ過程を用いる多くの分野で重要な役割を演じる。原子蒸気を作りやすい希ガスやアルカリ金属原子についての対称電荷交換断面積の実験データはあるが、電子構造の複雑な原子についてのものはほとんどない。ここでは、ガドリニウムの電荷交換断面積を、電荷交換により生成したイオンは計測することによって求めた。ガドリニウムイオンは、ガドリニウム原子を1波長2段階共鳴イオン化して生成した。実験で得られた電荷交換断面積は、Rapp&Francisの公式によって得られる値の2倍程度であった。